理想の母親

明るくて、身奇麗にしており、いつもで〜〜〜んと、大仏様のように構えている、そんな母親が理想でした。きっと病弱だった私は、数えきれないくらい病院へ行き、心配され、愛情たっぷりに育ったんです。母には、感謝感謝なんです。
でも私の心に染み付いている母のイメージは、いつも鬼のような形相で、長くて手入れされていないゴマ塩頭で、子供を怒鳴りつけ、暴言を吐き捨てる、そのくせ異常に心配性で、私が受験に落ちた日のあのうろたえた表情なんかが、フラッシュバックするんですよ。感謝しなきゃ、ありがとうって、心から思う日もあれば、何も感じない日、親として当たり前だろ、おまえとはやっぱり合わない、何であんたが母親なんだよって、思うこともあるんです。
死ぬまで、私の想いをどんどん裏切っていく親って、いるんですね。これがリアルに現実です。
人間がぽっくり死ねないように、感情の渦もおさまる気配はありません。